陸屋根は、平らな構造になっているのが特徴的です。厳密には傾斜はあり、排水口も設置されます。平らな屋根ですから、建物内は広々した雰囲気になる事が多く、屋上として活用できるのも特徴的です。ただしロフトの設置は難しくなる傾向があり、雨漏りに関する特徴もあります。

斜めでなくフラットな構造になっている

一戸建て住宅の屋根は、斜めの形状になっている事も多いです。いわゆる「へ」の文字のような形状をしていて、雨水も流れやすい構造になっているのです。
それに対して陸屋根は、一見すると平らな構造になっています。いわゆるフラットな屋根なので、屋上で過ごす事もできます。
マンションの屋上部分をイメージすると分かりやすいです。マンションの最上階がへの字型になっている事は、殆どありません。その集合住宅の大部分は、屋上はフラットな構造になっている訳です。陸屋根は、そのマンションの屋上に似た構造をしています。

平らに見えてもわずかに傾斜はある

ただ実際には、多少の傾斜は付いているのです。そもそも屋根が完全にフラットになる事は、ほぼあり得ません。遠くから見ると分かりづらいですが、屋根にはわずかに傾斜は付いています。
そもそも屋根が完全にフラットですと、排水できません。屋上部分に水が蓄積するのは問題なので、実際には多少の傾斜が付いていて、屋根の近くに排水口が設置されている事も多いです。なお陸屋根に対する排水口は、ルーフドレインと呼ばれます。

建物の中を広々した雰囲気にできる

陸屋根は、主に集合住宅に採用されている傾向があります。その形状ゆえに、ヘリポートなどが設置されている陸屋根も多いです。また病院も、その屋根が採用されている事も多いですが、一戸建て住宅によっては陸屋根になっている事はあります。その主な理由は建物のデザインですが、広さという理由もあります。
そもそも屋根の形状が斜めですと、建物内部は狭く感じられる場合があります。その形状ゆえに、屋根が室内を圧迫しているように見えるからです。
ところが陸屋根の場合は、フラットな構造になっています。フラットな屋上になっている構造上、建物の中に圧迫感は生じづらい屋根なのです。

メンテナンスしやすい陸屋根

ところで住宅の屋根は、定期的にメンテナンスする必要があります。年数が経過しますと、屋根の状態も悪くなってしまうので、たまに状態を確認する訳です。
屋根によっては、そのメンテナンスが大変なこともあります。屋根が傾いているからです。
への字型になっている屋根をメンテナンスする為には、ハシゴで登らなければなりません。また屋根に傾斜が付いているので、足を踏み外すと落下する可能性もあります。
しかし陸屋根の場合は、屋根はフラットな構造になっていますから、メンテナンスは比較的容易です。屋上部分に行って、メンテナンスすれば良いからです。

建物に屋上を設置できる

それと住宅に屋上を設置できる特徴もあります。
上述のように、への字型の屋根は少々危ないです。ですから、その屋根の上に登る事はめったにありません。それに対して陸屋根の場合は、簡単に屋上部分に行く事ができます。
人によっては、屋上の開放的な雰囲気を好んでいる事もあります。その場合は、陸屋根にする方が良いでしょう。

気温が若干高くなりやすい

ただ陸屋根には気温に関する特徴もあり、若干温度が高くなる傾向があります。建物に使われている建材次第ですが、総じて温度は高くなりやすいです。
このため陸屋根にした時には、何らかの工夫が求められる事もあります。例えば屋上緑化です。屋上部分に植物を植えておけば、太陽の光も遮ってくれるからです。また屋根の部分に直射日光が当たるのを防ぐ為に、ウッドデッキが設置される事もあります。

ロフトを設置するのは困難

またロフトに関する特徴もあります。住宅によっては、はしご付きの屋根裏部屋があります。ロフト付きの住宅は、建物内が広々している事も多く、屋根裏部分を物置として活用している方も多いです。
ただ陸屋根という構造ですと、ロフトにするのが難しくなる傾向があります。

水が少々溜まりやすい

ところで木造住宅は、陸屋根は少々難しいと言われる事も多いです。その理由の1つは、屋根部分の水はけです。
多くの住宅の屋根に傾斜が付いているのは、水が溜まってしまうからです。傾斜を付けておけば、重力によって排水できるでしょう。
ところが陸屋根の場合は、フラットな構造になっていますから、やや排水しづらい性質があります。上述のルーフドレインという排水口はあっても、やや水が溜まりやすい傾向があります。陸屋根のデメリットの1つでもあります。
このため陸屋根にした時には、防水処理なども必要です。また水が溜まってしまう可能性もあるので、たまにメンテナンスする必要があります。


総じて陸屋根は、フラットな構造になっているのが特徴的です。排水には難があるものの、屋上を楽しめる上にメンテナンスも容易なので、陸屋根に関心を抱いている方々も多いです。”